2017/11/11

【基礎】自動車部品の種類や構造とは?ボデーの構造について

 
ボデーの構造について

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“自動車業界のすべてを誠実に伝える” BSニュースのサイト構成やライティングを担当している人。大学でプログラミングを専攻し念願のIT企業へ就職したが、紆余曲折を経て今は自動車業界の営業職に就いている。深夜のカップ麺の誘惑に負け続けているため、おなかが出てきているのが最近の悩み。

BSニュースでは自動車の鈑金・塗装業界について、作業に必要な基礎知識をまとめています。

第4回は『ボデーの構造』についてです。

 

自動車のボデー構造は、時代が進むにつれて変化し続けてきました。この変化が鈑金作業に影響を及ぼし、正確な修正が必要になってきたのです。

また、ハイブリッド車や電気自動車の登場により、今までとは全く異なるボデー構造も登場しており、さらに作業の難易度が上がってきています。

 

今回は正しく鈑金修理をするために必要な、ボデーの構造についての基礎情報をお伝えしていきます。

 

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1.自動車の構造

自動車の構造

自動車には、以下の6つの構造があります。

1.部品から装置へ
2.機能と部品
3.駆動装置
4.操舵装置
5.制動装置
6.装備品

 

1-1.部品から装置へ

自動車は車種によって違いはありますが、一台あたり4000~6000種類もの部品が使用されていると言われています。その中でも同じ種類の部品をいくつも使用する場合もあるので、部品の個数で考えると2万~3万点になると言われています。

それらの部品を組み合わせることで一定の機能を持たせ、機能を持った部品をまとめることで装置へと作り替えて行きます。

 

部品から装置への流れ

1.部品
2.アッセンブリー(Assy)
3.装置

 

1-2.機能と部品

自動車には以下の5つの機能が必須です。

■走る
■曲がる
■止まる
■ボデー
■装備

 

走る、曲がる、止まるが走行するために必要な機能であり、ボデーはそれらの機能を発揮するためのベースとなります。また、夜に走行するためにヘッドランプや方向指示器などの装備を付けることで自動車は完成します。

 

1-3.駆動装置

自動車を走らせるための心臓部であり、原動機としてエンジンを使用しています。

エンジンは使用する燃料、原理、構造などによって様々な種類に分けられています。

近年ではハイブリッド車や電気自動車の普及により、電気モーターの採用が伸びてきています。

 

動力の伝達経路

1.エンジン
2.変速機
3.プロペラシャフト
4.ディファレンシャルギア
5.ドライブシャフト
6.タイヤ&ホイール

 

1-4.操舵装置

自動車をコントロールするための装置で、ハンドルの動きをタイヤに伝え、進行方向を変える働きをします。

 

操舵の伝達経路

1.ハンドル
2.ステアリングシャフト
3.ステアリングギア
4.タイロッド・タイロッドエンド
5.パワーステアリング

 

1-5.制動装置

自動車を停止させる装置で、ブレーキを踏むことでタイヤの回転を抑制する働きをします。

ブレーキシステムには、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やパーキングブレーキなどが存在します。

 

制動の伝達経路

1.ブレーキペダル
2.ブレーキブースター
3.ブレーキ配管
4.ブレーキ本体

 

1-6.装備品

自動車を安全・安心に走らせるためのものであり、それぞれが大きな役割を持っています。

■外部情報系
■内部情報系
■安全装置
■照明装置
■環境装置

 

2.ボデーとフレーム

自動車のフレーム

2-1.フレームレスボデーとフレーム付きボデー

ボデーには以下の2種類が存在します。

■フレームレスボデー
■フレーム付きボデー

 

フレームレスボデー

モノコックボデーとも呼ばれ、フレームとボデーを溶接で繋ぎ合わせた一体化構造となっています。

事故の衝撃をボデー全体に分散させることで強度を保つように設計されています。

 

フレーム付きボデー

頑丈なフレームと加工しやすいボデーを組み合わせた構造となっています。

以前はすべての自動車に採用されていましたが、今ではトラックや一部の乗用車にだけ採用されています。

 

2-2.フレームの種類

フレームには、以下の5種類が存在します。

■ラダーフレーム
■ペリメーターフレーム
■プラットホームフレーム
■バックボーンフレーム
■スペースフレーム

 

ラダーフレーム

フロントからリヤエンドまでをつなぐサイドメンバーにクロスメンバーが入ったはしご型の構造です。

頑丈で生産性も良いですが、車体が大きくなる特徴があります。

 

ペリメーターフレーム

基本はラダーフレームと同じですが、キャビン部分を下げることで幅広くした構造です。

トヨタのクラウンに採用されており、車高を下げて広いキャビンを作れることが特徴です。

 

プラットホームフレーム

背骨と床板を溶接し一体化することでフロアパンの強度を上げ、動力とサスペンションを取り付ける構造です。

フォルクスワーゲンやポルシェに採用され、非常に頑丈ですが、フレームと車体の分離が難しいことが特徴です。

 

バックボーンフレーム

センターフロアトンネル部分などを箱型にすることで強度を上げた構造です。

いくつかのスポーツカーに採用され、生産性は低いですがシートの位置を低くできることが特徴です。

 

スペースフレーム

鋼鉄製のパイプを組み合わせることで形を作る構造です。

レーシングカーやスポーツカーに採用され、構造が複雑で大量生産は難しいですが軽量化が可能なことが特徴です。

 

3.ボデーの構造

車体骨格の切開

ボデーには、以下の7つの構造があります。

1.モノコック構造
2.ラーメン構造とトラス構造
3.フロントボデーの構造
4.センターボデーの構造
5.リアボデーの構造
6.ワンボックス車のボデー構造
7.フレーム車のボデー構造

 

3-1.モノコック構造

本来のモノコックボデーとは、飛行機に採用されていて、「均一な材質で全体を覆うことで、一部に加わった力を全体に分散させて受け止める構造」のことを指します。

自動車の場合はエンジンやトランクがあるため、均一な材質で全体を覆うことができず、部位ごとに強度や受ける衝撃の大きさも違うため、厳密な意味でモノコック構造とは呼べません。

しかし、強度の違う部位を計算し繋ぎ合わせることで、衝撃を車体全体に分散させることが可能です。

 

3-2.ラーメン構造とトラス構造

自動車に限らず一般的な構造物は、目的に合わせて骨組みをします。

代表的なものがラーメン構造とトラス構造になります。

 

ラーメン構造

立方体のような骨組みをしており、家やビルを建てる際の構造です。

上から力を加えると、上辺だけでなく左右の構造材まで変形します。

 

トラス構造

吊り橋のような骨組みをしており、上から力を加えると上辺のみが変形し、力を吸収します。

 

3-3.フロントボデーの構造

エンジンや変速機を始めとした、走行に必要な重量物が集中しています。

そのため前輪が受ける力を支えるために、メンバーやリインホースメントを二重の井桁構造に組み合わせ、接合部に補強材を重ねることで強化した構造になっています。

 

主な特徴

■フロントエンド

バンパーとそのリインホースメントを大型化することで、衝撃を吸収する役目があります。

クラッシュボックスが設定されている車種もあるようです。

■サイド部

頑丈なサイドメンバーを下部に置くことで、エンジンやサスペンションを支えています。

前からの衝撃はストラットまでのパネルで吸収し、それ以降は板厚を厚くするかサイドメンバーと平行にリインホースメントを上部に付け加えることで、ダッシュパネルからキャビンへの損傷を軽減しています。

■ダッシュパネル

メンバーやリインホースメントが広い範囲で溶接されており、補強材も組み合わせています。

アスファルトシートを挟んだサンドイッチ構造になっており、エンジンの騒音や振動を効果的に吸収する車種もあります。

■サブフレーム

フロントボデーの強度向上と、エンジンの振動やサスペンションの力を直接ボデーに伝えないようにする役割があります。

 

3-4.センターボデーの構造

中空の箱型状になっており、人や荷物を乗せるための空間になっています。

 

主な特徴

■ピラー

床のフロアパネルからピラーが立ち上がり、ルーフを支えています。

■フロア

人や荷物の重量を支えるため、箱型断面のロッカーパネルになっています。

■サイド

ドアの厚み程度しか幅がないため、フロントやリヤのように衝撃を吸収する構造にすることができません。そのためピラーをアウターとインナーの閉断面構造にしていたり、リインホースメントの数を増やすなどして強度を保っています。

■ドア内部

窓ガラスの上下やドアをロックするシステムが内蔵されています。

サイドインパクトビームを設置することで、衝撃によりドアが変形を抑えています。

 

3-5.リヤボデーの構造

セダンタイプとバンタイプで構造は異なりますが、基本的にはクォーターパネル、リヤエンドパネル、リヤフロアパン、リヤサイドメンバーが溶接されています。

 

主な特徴

■クォーターパネル

リヤピラーはアウターとインナーで構成されており、インナー側がホイールハウスパネルに繋がっています。

■リヤエンドパネル

トランクやテールゲートの開口部が床面近くまで下げられているため、高さがなく細長い形状になっています。

■リヤフロアパン

キャビンのフロアから直接繋がっており、強度はさほど必要ないため、フロントと比べると細く小さくなっています。

■リヤクロスメンバー

リヤエンドパネルと一体化しており、強度はさほど必要ないため、フロントに比べると細くなっています。

■リヤシェルフパネル

トランク付きの車種に設定されており、クォーターパネルのピラー部の左右を結ぶ役割を持っています。

■サブフレーム

後輪駆動車に設定されており、リヤサスペンションとディファレンシャルギヤを支える役割を持っています。

 

3-6.ワンボックス車のボデー構造

全体をひとつの箱のようにすることで、人と荷物を乗せるための空間を最大限広げています。

 

主な特徴

■フロント

エンジン部分に相当する部分がないため、フェンダーエプロンやダッシュパネルがなく、フロントエンドパネルがフロントピラーに繋がっています。

■センター/リヤ

広い空間を維持するためにピラー類、クォーターパネルは二枚重ね構造にすることで強度を上げています。

■フロアパネル

フロントからリヤまで繋がっており、ボデー全体を支える頑丈な作りになっています。

 

3-7.フレーム車のボデー構造

別体式のフレームを持つ自動車は、ボデーは比較的簡単な構造になっています。様々な荷重をフレームが受け持つからであり、ボデーだけを見ると、モノコックのようにも見えるようですが、パネルの組み合わせ等の複雑さはありません。

 

4.衝突安全ボデー

衝突安全

衝撃を受けた際に、壊れる部分や折れ曲がる部分をあらかじめ作っておくことで、衝撃の吸収や分散できる車体構造になっています。

また、衝突する相手車両にも配慮した「コンパティビリティ」という概念や、歩行者の保護も考えた「歩行者障害軽減ボデー構造」も含まれています。

 

4-1.開発の経緯

保安基準の改定が行われた1994年4月から衝突安全ボデーが強調されるようになりました。

衝突試験を自動車事故対策機構が毎年実施しており、実験結果も公表されています。

 

4-2.ボデー構造の特徴

フロント

衝撃を受けた際に、壊れる部分や折れ曲がる部分をバンパーからストラットまで段階的に設定することで、衝撃をバンパー、リインホースメントからフロントサイドメンバー、フロアサイドメンバー、ロッカーパネルへと逃がしていきます。

 

サイド

ピラーやロッカーパネルを大型化し、高張力鋼板を多用することで強い強度を持たせ、キャビン全体が壊れないようにしています。

 

リヤ

フロントと同じように、衝撃を吸収しフロアとルーフへ逃がしていきます。

 

5.メカ系部品

メカ部品

5-1.エンジン配置と駆動方式

エンジンの配置場所や前輪・後輪のどちらで駆動するのかでボデー構造は変わってきます。

駆動方式は、以下の通りです。

■FF(フロントエンジンフロントドライブ)
■FR(フロントエンジンリヤドライブ)
■RR(リヤエンジンリヤドライブ)
■MR(ミッドエンジンリヤドライブ)

 

5-2.サスペンションの種類

フロントサスペンション

■車軸式
  • リジッドアクスル式
  • トーションビーム式
■独立式
  • マクファーソンストラット式
  • ダブルウィッシュボーン式
  • マルチリンク式
  • リーディングアーム式

 

リヤサスペンション

■車軸式
  • リジッドアクスル式
  • トーションビーム式
■独立式
  • マクファーソンストラット式
  • フルトレーリングアーム式
  • セミトレーリングアーム式
  • ダブルウィッシュボーン式
  • マルチリンク式
  • スイングアクスル式
  • ダイアゴナルアクスル式

 

5-3.ブレーキの仕組み

ディスクブレーキ

車軸に取り付けられたディスクを、両側からパッドで押さえつけて回転を止めることでブレーキを掛けます。

ディスクが外気に触れているため、加熱しにくく安定した性能を発揮します。

 

ドラムブレーキ

ドラムの内側のシューが広がることで、ドラムを押さえつけて回転を止めることでブレーキを掛けます。

小さな力でも高いブレーキ性能を発揮するが、加熱しやすく酷使すると性能が落ちます。

 

5-4.ハイブリッド車の構造

ハイブリッド車とは

作動原理の異なる複数の動力源を持った自動車のことです。一般的には電気モーターとガソリンのエンジンを組み合わせて、状況に応じて動力源を切り替えて走行することができます。

 

種類

モーターとエンジンの組み合わせによって、以下の3種類に分類されます。

■シリーズ式
■パラレル式
■シリーズ・パラレル式

 

構造

■ハイブリッドバッテリー

ニッケル水素バッテリーやリチウムイオンバッテリーが採用されており、車種によって電圧は違います。

事故による損傷を受けにくいリヤシートバックパネルやフロアに設置されることが多いようです。

■インバーター/コンバーター

インバーターはハイブリッドバッテリーの直流電流とモーター/ジェネレーターの交流電流を変換し、コンバーターはハイブリッドバッテリーの電圧を変換し、各電装部品へ電気を供給する役目を持っています。

■パワーケーブル

ハイブリッドバッテリーとコントロールユニット間、モーターとコントロールユニット間などに使用される高電圧・高電流用の電線です。

■メインスイッチ

ハイブリッドバッテリー電源とも呼ばれ、スイッチをOFFにすると電気を流さなくなるため、バッテリーへの充電がされなくなります。

■モーター

走行時の動力だけでなく、ハイブリッドバッテリーへの充電や別の電装部品への電力供給も行っており、運動エネルギーを電気エネルギーに変換することができます。

■回生ブレーキ

タイヤの回転を利用して、モーターを発電機として使用することで運動エネルギーを電気エネルギーに変換しています。

 

5-5.電気自動車の構造

電気自動車とは

電気の力のみで走行するため、排気ガスや温暖化ガスを排出しない自動車です。

ハイブリッド車と違い、発電機を持っていないため、走行中の回生ブレーキ以外では家庭用電源などから充電を行います。

 

構造

電気自動車には、以下のような特徴があります。

■エンジンではなくモーターを搭載している
■フューエルタンクを持たない
■外部電源から充電するため専用の充電装置を搭載している
■駆動用バッテリーとインバーター/コンバーターを搭載している

 

いくつかの違いはありますが、基本的な車体構造や付属品は、ガソリン車と大きく異なることはありません。

駆動用バッテリーは、長距離走行を行うために大型のリチウムイオンバッテリーが使用されています。

 

 

まとめ

1.自動車の構造
2.ボデーとフレーム
3.ボデーの構造
4.衝突安全ボデー
5.メカ系部品

 

いかがでしたでしょうか??

今回はボデーの構造の基礎の部分についてお伝えしてきましたが、「フレームの種類やボデーの構造についてこんなに種類があるなんて知らなかった!」という人もいらっしゃったのではないでしょうか?

近年ではエコカーの登場により、搭載する部品によってボデーの構造が変化したりもしています。

ハイブリッド車や電気自動車は、これからさらに進化していくと思いますので、時代の流れに置いていかれないように、基礎的な部分から知っておくといいかもしれませんね!

 

それでは(^^)

 

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